ワクチンとフィラリアのおはなし

今回は比較的皆さんになじみのあるお話です。そろそろフィラリアの予防、ノミダニの予防、狂犬病ワクチン接種など盛りだくさんではあります。この時期によく聞かれるのが下記のような内容ですね。

フィラリアについて
*フィラリアの予防はしなければならないのか
*フィラリアの予防薬はいつからいつまで飲ませるのか

ワクチンについて
*接種が必要かどうか
*ワクチンでよくみる5種、8種というのは何が違うのか

基本的にはこの4つがダントツ多いです。

フィラリアは予防すべき?

これに関してはやらなければなりません。フィラリアは寄生虫みたいなもので、線虫のような白い細い虫が心臓いっぱいに繁殖します。もちろん心臓の中にそのようなものがいたら、苦しいだけではなく命にかかわります。最近はこのフィラリアの薬もずいぶんと飲ませやすくなりました。おやつのようにあげられるものが多いので、わんちゃんにとってはとてもうれしい限りだと思います。

フィラリアのみの予防薬で1年を過ごしてもらうのがベストだと思います。おやつを食べてフィラリアを予防できるというのは、一緒に過ごす方にとっても簡単であげやすくストレスがないと思います。

またノミダニ予防は特に薬を使用しなくても予防することは可能ですし、注射は1回で終わりますが、注射はワクチンや狂犬病などもありますから、体への負担も大きくなります。

フィラリア予防薬を与える期間は?

フィラリア予防薬を与える期間はとても重要です。期間を間違えると、きちんと予防していてもフィラリアになってしまう可能性が高くなります。再度確認してみましょう。

まずフィラリア予防薬を始める時期というのは、蚊が出始めたその月の最後か、次の月の早めに食べさせます。そして最後は蚊がいなくなってから1ヶ月先まで飲ませます。

フィラリアが寄生している犬の血液には、小さなフィラリアの幼虫が存在し、フィラリアに感染した犬から蚊が血を吸う時に、この幼虫を一緒に吸い込んでしまいます。その蚊が感染していない犬の血を吸うことによって、身体の中にフィラリアの幼虫が入ります。

この入った幼虫をフィラリア予防薬で抹消するのです。最初は早くてもあまり問題ないですが(使用する分が一錠多くなってしまうと思いますが)最後だけは1ヶ月先まで必ず与えるようにしてください。よく蚊が出てすぐに飲ませて、冬にいなくなるとやめてしまう方がいらっしゃるようですが、最後を忘れてしまうと、フィラリアをもつ蚊に刺されたとしたら、予防・治療ができなくなってしまいます。

絶対にフィラリア予防薬を与えるときは蚊がいなくなってから1ヶ月先まであげることを忘れないでください。

実際には予防薬であり治療薬なのです。

ワクチン接種について

ワクチン接種について、これも3年に1回でよいとか、接種しなくてもよいとか、毎年しなければならないとか、よく議論になっているのを耳にします。

では絶対に接種しなければならないのか・・といったらそれはNOです。絶対ではありません。ただしもし何かの伝染病が流行った場合には死亡率が高くなります。

では、接種したほうが良いのでは?となると思いますが、やはり高齢になると、かなりワクチンは体に負担のかかる注射なので、預けることをしない場合には接種しなくても良いとは思います。場合によっては、そのワクチンで体調不良になってしまうこともあると思います。

やはり獣医さんにいってきちんと話をするべきだと思います。接種した方が良い悪いのかということではなく、今のこの子に必要なのか、年齢や疾患などを考えたら接種しない方がよいのではないか・・・など。そのうえで決めていくのがべきだと思います。

5種8種とかって書いてあるけどなに?

5種8種、この数字は予防してくれる病気の数です。では、多い数の方がたくさん予防してくれるからそのほうが良いのではないか。というのとはまた少し違います。

たしかに単純に考えたら、数の多い方が病気になる確率が低いと考えると思います。ただし体への負担は数の大きい方が大きくなります。

そしてここで一番大事なことは、数が多くても必ず予防できるとは限らないですし、必要のないものもあります。本来予防接種というのは私たちが接種している予防接種も同じですが、必ずしもその抗体が体の中にきちんとおさまって病気予防してくれると確約されるものではないのです。もちろん接種してもうまく抗体がおさまらなかったら、病気になってしまいます。

インフルエンザ予防接種で考えてみてください。その年の型に当てはまらなかったらインフルエンザになる可能性もあるということを聞いたことがありませんか?実際にワクチンを接種していたのに病気になってしまったというご相談も受けますが、これらは絶対に予防できるわけではないということを頭に置いておいてください。

そしてこの数字ですが、生まれてから3~4回予防接種するかと思います。もし最初に5種を接種したとしたら2度目に8種を接種しても3種はこのときは無駄になる可能性が高いです。

抗体を体におさめるために接種するのですが、小さい頃というのは免疫がなく体が弱いので抗体もおさまらなかったりします。なので5種のあと8種を接種した場合には、3度目にも8種を接種してください。ただし最近は5種で十分という声もありますね。

最近は、日本も衛生状態が良いので、よほどのことがないかぎりウイルスの予防が少なくても問題ない生活環境になってきました。山奥の川の近くにお住まいだったり、もしくは衛生状況の悪い国へ渡航するなどといったことがなければ、体の負担も考えて数字が少ない方がアナフィラキシーも起こりにくい点からも5種をおすすめします。

いかがでしょうか。フィラリアもワクチンも一番質問の多い項目ですが、基本的なところを書いてみました。この時期は一番お金もかかりますが、病気になってしまうとそれ以上にかかってしまいます。きちんとしたケアをすることによって負担も少なくなります。そのためにも必要なことはきちんとやって、必要のないところを見直すということをしてみてはいかがでしょうか。

またもう少し詳しいお話ができればと思います。

動物の薬剤師 黒田さおり

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