最近よく見かけるコンシェルジュということば。もとは集合住宅の管理人程度の意味合いでした。それが今は派生して、相手の要望に対してノーと言わないお世話係という意味になったそうですね。
ペットフードを見極める。
たくさん種類がある中で、うちの子に合ったフードはどれなんだろうと気になると思います。インターネットで評価が良いから合うとは限りませんし、アレルギーや好みなんかも人間と一緒で千差万別です。
はじめはちょっと難しく感じると思いますが、大事なことなので少しずつ見ていきましょう。見極めるといってもその子に合ってるかどうかの見極めになりますから、頑張れると思いますよ。
最初は絶対パピー用?
最初にグロースやパピーなどの名のつくフードをもらい食べさせることが多いかと思います。
パピー用ではなくても高栄養なフードも種類が多く発売されています。ですから最初は絶対パピー用でなければならないということではありません。逆にパピー用でも食べない子はいます。
やはりしっかり食べてくれるかが大切だと思います。その中でフードの原材料をよくみて、栄養価がどれぐらいあるのか、または原材料の中に副産物のないものを選びましょう。免疫が低下している子の場合、原材料によっては、疾患を発症しやすくなる傾向があります。
フードジプシーのススメ
あれこれかえることによって
- 好みの判別(食べる食べない)
- アレルギー対策
になります。最近は様々な原材料に対するアレルギー反応が出てきています。
食べないものはきちんと覚えておいて、なるべくそのフードに含まれる主原材料(たとえばチキン、フィッシュ、ラムなど原材料の最初から3番目までに書かれているものをさします)は1年過ぎるまでは食べさせないようにしましょう。そうすることにより、アレルギーやそのほか食べられない食品を減らすことができます。ただ、食べるからといって一種類の原材料のものだけを食べさせるのもやめましょう。それはそれで食べ物からのアレルギー体質を作ってしまうことがあります。
その際の体調の変化として、変更したあとの排便の状況が水様便になってしまったり(理想はソフトクリームくらい)、逆にあまりに固い便になってしまった時は、肛門や胃腸に負担がかかっている場合があるので、以前のフードと新しいフードをお互いの分量を変えながら混ぜ合わせ、10日ほどかけて変更しましょう。それでも症状が改善されない場合には、変更するのを止め、前のフードに戻してください。
また、嘔吐してしまった場合は、慌てずにわんちゃんの様子をみてください。ぐったりしているようであれば脱水になっていることもあるので(たとえば下痢をしてしまった場合など)、すぐに病院に連れて行きましょう。比較的元気な場合は、お腹がすいているようであれば前のフードを少量をあげて様子を見てみましょう。
比較的食べる原材料のものを三種類くらいを用意してローテーションしましょう。飽きが来ないように、アレルギーにならないようにするためです。体調のわずかな変化も見逃さないようにしましょう。
サプリメントの選び方
サプリメントは、日本の法律上、原材料は表記できても、どのような疾患予防によいのか、またどのような症状の子にどれくらい食べさせる(飲ませる)ことをするのがよいのかということが書けないので、使用方法がわかりにくく、使いづらいと思われる方も多いかと思います。しかし、
薬よりは効果の出方は低いのですが、確実に体をかえていけるものも多く存在し、医薬品を服用するよりもサプリメントのほうが健康になる場合も多々あります。
例えば、小さい頃から飲んでおくと病気(特に皮膚疾患)になりにくい成分として、
- ビタミンB
- オメガ3、6
- プロバイオティクスなどの乳酸菌製剤とよばれるもの
があります。
ビタミンBは特に体の内部から免疫を強化したり肌荒れなどの予防になりますので、口内の疾患や皮膚病、また涙やけなどのケアには最適のサプリメントです。
オメガ3,6というのは脂肪酸ではありますが、これらも皮膚被毛ケアや免疫力を維持するためには必要不可欠のサプリメントです。
プロバイオティクス
は最近フードにもよく含まれています。胃腸の調子を整えることは体の外部環境やそのほか免疫維持をしてくれることとなります。やはり胃腸関係の不調は私たちでも肌荒れや栄養の偏りによる疾患になりやすくなります。
抗生物質などの薬を服用することによって胃腸も弱りますので、できれば疾患予防のためにもプロバイオティクスのはいっているフードやサプリメントをおすすめいたします。
また関節のサプリメントで
ミリスチン
の入ったものは、関節の機能が正常な状態から使用することによって、より強化された関節を維持することができますので、運動量の多い子には特におすすめしています。
また、蜂蜜などの食品もアレルギーによいと言われています。花粉症や皮膚疾患、眼病などアレルギーをともなうような疾患にはとくに蜂蜜は効果が高い食品です。サプリメントもありますのでぜひお試しください。
わずかなサイン(要望)を見逃さず、ノーと言わず、唯一無二のコンシェルジュとしてしっかりとお世話をしましょう。
動物の薬剤師 黒田さおり