恐怖のウイルス「パルボウイルス」

ペットと暮らすということは、その子の命に対して責任を持つことであると考えます。かわいがっていても突然病気になってしまい、その病気の存在自体を知らなかったり、間違った情報を信じて悲しい別れを経験された方もいらっしゃると思います。

今回は、そういった猫ちゃんの病気の中で、特に知っておいていただきたい非常に感染力の強いウイルス、「パルボウイルス」についてお話しようと思います。私の友人で、個人で猫ちゃんの保護をされている方の体験談をもとに、文章を引用しながらお話しようと思います。実際にあったお話です。

ワクチン未接種の子が・・

その子たちはみんなおとなしく見た目はとても元気でした。毛並みも綺麗で病気なんてみじんも感じられないほど。

『20年前からずっと、その時々でできる限りの手を尽くして来たわけですが当時、既にワクチン接種を2回、行った6頭全員がパルボウィルスに感染しました。知人からの依頼で保護した、ワクチン未接種の子猫が原因です。』

ワクチン接種をして、その病気にかからないかといえば、それは絶対ではありません。どうしてもその子の体質によって、うまく抗体がつかずに、発症してしまう場合があるのです。

友人自身がベクター(病原菌の媒介者)に

このウイルスは、ウイルスの中でも最も小さく、自然界のどこにでも存在するため、私たち人間の靴の裏にくっついて外から入りこむこともあります。

『保護したその足で獣医師に診せ、自宅に連れ帰り、保護猫=愛猫たちとは隔離して元気に過ごしていた矢先のことでした。子猫を触った手は必ず洗い、衣服も靴下も交換してから、愛猫たちと触れ合っていた私自身がベクターとなっていたとは。以来、保護した動物はまず動物病院に入院させ全ての状況がクリアになり1回目のワクチン接種後、体調に変わりないことを確認するまでは、自宅には連れ帰りません。もちろん、毎日、面会に行きますが、既に我が家にいる子たちを守ることが大前提。』

その疾患にかかったとしてもなんとか助かった場合でも、その子にはそれなりに身体に残ってしまうものもあり、治療を余儀なくされてしまいます。

『猫 7頭全員、緊急入院させましたが、まず 新入り子猫が力尽き、ワクチン接種していた子たちもあっという間に命の火が消えて行きました。

7頭のうち、3頭を失い残りの4頭は、およそ2ヶ月間、それぞれが隔離入院されての加療の後に回復したものの、猫のベッドやタワーはもちろん自宅のカーテン、畳、カーペットは焼却処分。壁紙は業者に依頼して消毒をしました。

獣医師からは生き延びた子たちの検便と血液検査を定期的に行い、排便時に排出されるウイルスがなくなり血液検査の結果が白と出るまで新しい猫の迎え入れ、保護は厳禁…と厳命されたのです。』

予防は大事です。ワクチンのおかげで命を救うことのほうが多いのですが、それでもかかってしまう子もいます。ワクチン接種に関しては、いろんな情報がありますが、自分自身で判断するのではなく、経験豊富な方々にお話を聞いたり、また接種に関しては、きちんと獣医さんと話し合い、その上で接種するかしないかを決めることが大事だと思います。

愛する子が幸せに生きられる方法、それは触れ合うこと、すなわち手当て、イコール治療。

病気というものはいつ襲ってくるかわかりません。予防をしていても、健康体でも突然襲ってきます。当然それは、我々人間も一緒です。愛犬愛猫を守るという意味でも、病気のことをすべて獣医さんにお任せするのではなく、その病気をまず知る、ということだと思います。

その上で、獣医さんと共に手を当てて看病する、それが「手当て」であり、本来の「治療」であると思います。

動物の薬剤師 黒田さおり

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